2011年11月7日

私の妻は高所恐怖症/老人のための100戸の集合住宅(オランダ)

 オランダの建築が楽しい。その中で、今回はアムステルダム西部にあってとびっきりユニークな『老人のための100戸の集合住宅』(1997)の紹介です。設計はMVRDV。若く人の意表を突く鋭い知恵と探究心、そして自信をも合わせ持った女性を含む3人の建築家集団です。この建物の目玉は、何といっても北側のファサードでしょう。当初の計画で不足した13の住戸が、片廊下の外側、空中に飛び出しています。11.3メートルものカンティレバーが大迫力で迫ってきて、老人達は安眠できるのだろうか、と心配になる程です。一転して南側の住戸群は、カラフルな色のバルコニーが板張りの外壁に張り付いていて賑やか。まるでお花畑のような趣です。このように挑戦的な作品は、いつも、見る者をとらえて離しません。
 アムステルダム・スキポール空港の近くに出現したのは、『INGグループ本社ビル』(2002)です。今にもこちらに向かって歩き出しそうなデザインには、だれもが驚かされるでしょう。いまオランダで最も環境に配慮した建物なのだそうです。

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