2011年10月24日

無何有郷(むかうのさと)の実現も半分/アルケスナンの王立製塩所(フランス)

 国際音楽祭の町ブザンソンからバスで2時間、アルケスナンに到着です。世界遺産に登録(1982)されている、『アルケスナンの王立製塩所』(1979)は、当時の売れっ子建築家であり、さらに王室建築家まで登りつめたC.N.ルドゥー(1736~1806)の設計です。広大な芝生の広場を持った半円形プランの製塩工場は、ルドゥーが目指した理想都市の中央に据えられています。各所に見られる塩のモチーフや、円形と四角形を交互に組み合わせた柱など見るべきデザインも数多く、未完成の建築でありながら楽しめます。
 ルドゥーはこの仕事の後、フランス大革命で投獄され、生涯を終えたのでした。

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