2012年5月28日

複雑な迷路から空が見えた/33番レーン(スリランカ)

 スリランカ、コロンボ市郊外の一角、33番レーンは高級住宅街。そこの袋小路に建築家 G.バワ(1919~2003)が愛でたであろう、彼の旧宅(1998)があります。4軒長屋の一つを買い取り改装を重ねたもので、そのために複雑さが与えられて魅力的な建築となっています。ファサードは、白く小さな出入り口とガレージの扉が並ぶだけで、これでいいのかと思ってしまうほど簡素です。

 コロンボ市内で G.バワが設計した『州立抵当銀行ビル』(1976)を発見。集合住宅であっても、使えそうに見えます。スリランカとしては、初期の高層建築です。

2012年5月21日

一つの庭空間でバワがわかる/ルヌガンガ(スリランカ)

 スリランカ、コロンボ市から南へ約60㎞、ベントタの町はリゾートが集中する南西海岸にあります。ここ『ルヌガンガ・エステート』は、建築家G.バワ(1919~2003)が病に倒れるまでの、数十年の年月にわたりデザインを続け、その時々で彼が望んだものが実現されている場所です。バワがイギリスで慣れ親しんだヨーロッパ式の庭園と田舎風の建物は、仕事場やゲストハウス等に改修が重ねられています。それらは、最も気持ちのいい形の場となって再利用されていました。

2012年5月14日

スリランカの人々にとって精神性の象徴/仏歯寺(スリランカ)

 スリランカの人々にとって、仏陀の歯が祀られている『仏歯寺』は、シンハラ文化を象徴した大切な存在です。その寺院は山々に囲まれた盆地に開けた、最もスリランカらしいといわれるキャンディの町にありました。穏やかな人々で輝くようなこの町へは、各地から、参拝者たちが献花を携えて引きもきらず訪れます。ひたむきに祈る人々の熱気に、圧倒されるほどです。現在の本堂は、18世紀の建造といわれています。スリランカ人の誇り、ここスリランカ仏教の聖地は1988年、世界遺産に登録されました。