2011年10月10日

湖岸に光るガラス箱/ブレゲンツ美術館(オーストリア)

 スイスからオーストリアへ。西端に位置する町ブレゲンツは、湖と旧市街が美しい。ここに今、世界中からラブコールが送られている建築家 P.ズントー(1943~)設計の『ブレゲンツ美術館』(1997)があります。フロストガラスを纏って、柔らかな陰影を漂わせて、ハッとするほどの美しさです。しかし、冷静になりましょう。ここで建築家ならだれもが?となります。なぜか。一般に美術館の展示室は、均一な照度が求められ、外光は敬遠されるのが普通だからです。4層の美術館で、ズントーはどのように解決したのか。それは、一層ごとに2メートル以上の天井懐にハイサイドライトの形で光を採り入れました。天井がトップライトとなり、均一で柔かい光が各階の展示室にあふれるように。一階以外の展示室はコンクリートの壁で囲ったため、展示上の不具合もありません。ミュージアム棟と分離されたオフィス棟は、黒いフレーム構造で隣接し、足元の広場にはオープンカフェで憩う人達でいっぱいでした。

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