2011年5月26日

カタルニャの叫びが聞こえる/サグラダ・ファミリア教会(スペイン)

 建築家 A.ガウディ(1852~1926)育ての地、スペイン東北部 カタルニャ地方の中心都市、バルセロナ。ここに魂の空間とよぶべき、巨大な聖堂『サグラダ・ファミリア教会』(1883~)が聳えたっています。見上げると、何本もの塔が上空から吊り下がっているように見えます。聖堂が地上に根を張り現在も成長を続けることが、神の啓示によるもののように。ガウディは、3世紀にもわたったゴシック様式を、「死んだ」と切捨て。その上で、この大空間を成立させるために、前に立ちはだかる多くの難しい問題を解決したといいます。傾き曲げられた支柱の上に、放物曲線のアーチの連続を眼の前にすると、貧者(ガウディも)の栄光ある死を尊く思われるのでした。
 追記:『サグラダ・ファミリア教会』は途方もない大きさと精緻さ、底知れない拡がりと深さを表現してガウディ没後85年、着工後125年を超えました。現在も工事は続いていることに、思います。魂の叫びはそのままに、工事の継続をどこかで終わりにしてはどうでしょうか。未完のままの様子で、充分尊いと思えるのですが‥‥。ガウディはもういません。彼が遺した当時の図面(スケッチ)や模型には限りがあるはずです。後世の人たちの解釈や予想による「増築」には危険さえ感じてしまいます。

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