2011年5月2日

スカルパも眠る墓地/ブリオン・ヴェガ墓地(イタリア)

 『ブリオン・ヴェガ墓地』は、 C.スカルパ(1906~78)にとっては珍しく、新規の独立した建築の仕事です。北イタリア・トレヴィーゾ近郊、糸杉の並木道からアプローチすると、壁をくり抜いた双子リングの開口が正面に迎えてくれます。ヴェネツィアがスカルパを生んだとまで言われています。地域の金属加工、左官、木材加工の技法など、優れた職人の技術がここにも生きているため、ディテールがヘナヘナしていません。コンクリートには、ギザギザの装飾がこれでもかこれでもかと現れ、変化する光を柔らかく砕いています。仙台で客死したスカルパの遺作になりました。

 

 同じ墓地の片隅にそっとある C.スカルパ自身の墓は、息子トビア・スカルパの設計によるものです。

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