2011年7月11日

ヒューマニティーの追求/碌山美術館(長野県)

 安曇野の入り口JR穂高駅から、キャリーバッグを引き歩いて10分足らず。一見、ロマネスクの教会の佇まいで、『碌山美術館』はありました。”喜びの欧州大陸旅行”を経て、当時のモダニズムの潮流から距離を置いて活動した建築家、今井兼次(1895~1987)の63歳の時の作品です。当時は、多くの建築家達がコンクリート打ち放しに血道をあげている時代、例えば香川県庁舎(丹下健三)と同じ年の建設と知って、ここで使われている赤い煉瓦の表情がさらに優しく感じたのでした。自らがカトリック教徒だった今井の人間性を、強く感じられる作品です。

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