マドリッドから街道”銀の道”を走って300キロ余、周辺の味気のない風景に飽きた頃メリダの町に迎えられます。まるで小さなローマのような趣の町です。『古代ローマ円形闘技場』と『古代ローマ劇場』は同じ敷地にあって、見る者には都合がいいものです。2つの建造物は、いずれも紀元前1世紀に建設されています。高度な土木建設技術と削り出された石材をもって、2000年前が語りかけてきます。
「円形劇場」の向かいには『国立古代ローマ博物館』(1986)があります。設計はR.モネオ(1937~)です。近隣の遺跡群からの出土品がゆったりと展示されています。館内は、大きく幾重にも重なるアーチが吹き抜けの展示空間を支えて圧倒的。密度のある煉瓦が、壁仕上げのほとんどを占めているのも特徴です。しかし、それが多用され過ぎていて、古代の歴史から離れていってしまうような感じに陥りました。おもしろかったのは、地階の展示室です。うす暗い空間のなかに、遺跡の発掘現場が静かに眠るように保存されています。歴史好きのむきには嬉しくなる場でしょう。
2012年12月9日
2012年12月7日
閉じ込められた闇/ロンシャン巡礼教会堂(フランス)
ここはフランスの東部、マリア信仰の厚い巡礼地です。幹線道路を車で走り、『ロンシャン巡礼教会堂』(1955)に近づくにつれて遠く丘の上に、ポツンと白く現れ、いやが上にも期待が高まります。周囲の芝生から立ち上がる、粗い打ち放し面に塗装された壁と、空に浮く屋根は思っていた以上に大きく迫ってきます。その自由で彫塑的な形は、見る位置を変える都度、新鮮な表情で表れます。内部は暗い! 祈ることだけの空間だとしても本当に暗い。ぶ厚い壁に穿たれた大小いくつもの開口は、色とりどりの光りが射し込み量感を強調して、暗さのなかに千金の重みをもつかのようです。奔放な表現と構造を持ったこの教会堂は、画家にもなりたかった建築家ル・コルビュジエ(1887~1965)の金字塔だ、と断言できます。
2012年11月25日
リズム感と均整/ラ・ロトンダ(イタリア)
ライト式建築の傑作は、本家譲り/旧甲子園ホテル(兵庫県)
F.L.ライトの片腕として、彼からもっとも信頼されていた愛弟子遠藤新(1889~1951)の、独立後の代表作が『旧甲子園ホテル』です。この「ライト式」ホテルは、各所に施された過剰なほどのデザインが目をひきます。ライトが好んだ和のテイストがあふれています。ランドスケープを含めて完成度が高く、当時利用した各界の要人達に高く評価されたのも頷けます。甲子園という閑静な高級住宅地にあって、現在は武庫川女子大学建築学科の学舎として活かされていました。学生諸君には、ここからよく学んでほしいものです。
オランダ『ヒルフェルスム市庁舎』(1931)をみてください。これも”ライト式”を下敷きにした建築ですよね。それとも”アムステルダム派”のものだと言い切れるのでしょうか。
奔放な家元と、しっかり者の番頭の「魂」/旧山邑邸(兵庫県)
2012年11月19日
大丈夫。憎悪の対象にはしませんから/福州園(沖縄県)
那覇市を訪れて、時間に余裕ができました。街なかに『福州園』(1992)という、本格的な中国式庭園があると聞いて、イザ! 名前と住所の記帳をして入園です。しかし小生、中国式庭園には、さっぱり通じていません。入手した資料に頼るのですが、園内の建物は福州を象徴する風景を模したものであるとか。住宅街のなかにあって、さほど広くはない敷地を巧く使っています。人工の高低差を利用した滝や池、植林、さらに園を一望する展望台まであり見応えがあります。次に来た時には、ゆっくり巡ってこの庭園を堪能したいと思ったのでした。
※ このところ日本と中国の間に、残念なニュースが多すぎます。中国の政治リーダーも代わります。日中両国の平和を祈るばかりです。
※ このところ日本と中国の間に、残念なニュースが多すぎます。中国の政治リーダーも代わります。日中両国の平和を祈るばかりです。
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