2012年11月12日

沖縄に花笠が踊る 屋根/沖縄」コンベンションC.他(沖縄県)

 隣接する宜野湾市のトロピカルビーチと一体になったかのような賑わいを見せていたのは『沖縄コンベンションセンター』(1987)です。設計者の大谷幸夫(1924~)はここを、「大戦による激戦地沖縄に鎮魂の碑を建てる」という思いを込めて設計したことは知っていました。しかし実際に現地に足を運んでみて、外観からそのような重い思いは読み取れませんでした。私の感性が鈍いからなのでしょう。また、特徴である重なり合った屋根は、構造的に合理性があるのか、これにも現在まで答えを出すことができないままでいます。 

 浦添市に残る、重要無形文化財の「組踊」を育成、発展させるための施設として、『国立劇場おきなわ』(2003)は建設されました。設計は高松伸(1948~)。外壁を形成するPCパネルで、沖縄的なるものを、緻密なディテールでそれを違和感なく表現しています。しかし、引き換えに失われたかもしれない、彼の往年の”勢い”を、懐かしく思えたりもしたのでした。

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