沖縄本島中部、北中城村の『中村家住宅』(18世紀中期)は南面した傾斜地に建ちます。この家は古い日本の建築様式を取り入れて、沖縄の上層農家の原型となっているようです。門扉は無く、「ヒンプン(顔隠し塀)」と呼ばれる豊かな表情をした石積み塀の存在がユニークです。道路側からのプライバシーの保護と悪霊払いの意味もあるのだとか。アプローチ周りと中庭を仕切って、絶妙な奥行き感が与えられています。赤瓦の屋根と深い軒、内部は各室を建具で多く仕切られ開放的。この日も厳しい日差しを防いで、心地よい風の流れが生まれていました。
「ヒンプン」はここにも。内井昭蔵(1933~2002)による、『浦添市立図書館』(1984)です。ヒンプンの内側も見たかったのですが、生憎当日は休館日でした。
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