巨匠、村野藤吾(1891~1984)は、様式を捨て、歴史の中で建築の本質を見い出した建築家です。その村野による『世界平和記念聖堂』(1954)は、被爆地広島に建つカトリック教会です。鉄筋コンクリートのフレームに、原爆の灰を含む広島の土を使った煉瓦が積まれています。他に一部の小叩き仕上げなど、内外に手仕事感が漂います。完成後60年近くを経ても魅力が増しているのはこの聖堂が”本物”だからなのでしょう。
平和記念公園のシンボル『原爆堂』(1915)です。設計はチェコ出身の建築家、ヤン・レツル(1880~1925)の手によるものです。
※ 「核」のない平和の永続を改めて祈りました。